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被害者の過失が大きい第10級11号の後遺障害で、訴訟上の和解

2017年8月17日解決

依頼者A(23才の女性、医療従事者)は、大学卒業後、就職準備のため、バイクに乗車し交差点を右折中、直進のB運転の加害車両にはねられ、左膝骨骨幹部骨折、左足関節内果骨折の障害を負った。

Aは、C病院、D病院に3か月間入院したが、左足関節内果に偽関節を残し、可動域が右足関節と比較し、2分の1以下に制限された。

本件では、信号機のある交差点で、Aのバイクが右折し、直進してきたB車両にはねられたということで、Bの加入していた自動車任意保険E損害保険会社は、Aの過失を80パーセントとし、示談に応じなかった。

Aの後遺障害について、自賠責会社に被害者請求をしたが、静岡自賠責損害調査事務所は、第10級11号(1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの)を認定したが、Aの過失が80パーセント以上あるものとして、30パーセントの過失減額をした。
Aはこれを不服として、Bを相手どって、静岡地方裁判所掛川支部に損害賠償請求の訴を提起した。
Bの車両にはドライブレコーダーが設置されていたため、AはBに要求し、ドライブレコーダーを提出してもらった。

Aは、このドライブレコーダーを、横浜市内のジェネクスト株式会社に解析を依頼し、同会社作成の意見書に基づき、事故の態様を主張した。
このドライブレコーダーの解析によると、Aのバイクがほぼ既右折の状態になったところを、時速約50キロメートルのB車両が衝突したということが判明した。
そして、AB共に青信号で交差点内に進入したことも判明した。

AB双方の本人尋問を経た後、裁判官は、和解勧告をし、和解案を示した。
それによると、Aの過失は70パーセントであるが、Aが臨床工学技士であることも考慮し、基礎収入を、大学・大学院卒の男性全年齢平均の約9割の600万円にしてくれた。(Aは女性)
その上で、後遺障害の慰謝料も追加手術の可能性や、Aが若年であることも考慮してくれて、660万円とし、全体の損害を4000万円弱とした。

そして、過失の70パーセントを控除し、既払金465万円を差し引き、調整金として、150万円程加算し、BがAに対し、880万円を支払えというものであった。
Aは、裁判所の配慮を受け入れ、Bとの間に訴訟上の和解が成立した。

Aは、過失割合については不満ではあったが、基礎収入や後遺障害の慰謝料について、裁判所の工夫がみられ、裁判をした甲斐があったものである。
過失について争いがある場合には、本件のようにドライブレコーダーがあるか否かを確認し、専門会社に解析を依頼することがベターである。

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