交通事故で頭部外傷(高次脳機能障害)を負われた皆様へ!

1 はじめに

 歩行中やバイクに乗車している際の交通事故で,頭部に外傷を負い,直後に意識障害が発生した被害者の方に高次脳機能障害がみられることがあります。

  1. 事故前は穏やかな性格であったのに,事故後は些細なことに拘って,暴言や,時には暴力を振るうことがある。
  2. 1,2時間前にあった出来事をすべて忘れている。
  3. 何事にもやる気がなくなり,疲れやすくなったようである。
  4. 事故前は積極的に計画を立て,てきぱきと行動していたが,事故後は段取りが悪く,何事にも消極的になった。
  5. 職場には復帰したものの,同僚や上司との関係が悪化し,口論やケンカになることがある。

 このような症状がある被害者や,そのご家族の皆様方は,早期に,高次脳機能障害の案件を多く取り扱う被害者専門の弁護士に相談する必要があります。

 まず,上記のような症状がある場合,適確な診断と治療のできる脳神経外科のある病院を受診しなければなりません。

 高次脳機能障害の後遺障害認定にあたり,静岡自賠責損害調査事務所は,画像上に脳挫傷痕があるか否かを最も大事な要素としていますので,脳神経外科医にこの存在を確認する必要があります。

 高次脳機能障害案件を多数取り扱っている当事務所の経験では,脳挫傷痕が頭部画像上に認められない場合には,ほとんどといってよい位,静岡自賠責損害調査事務所は,高次脳機能障害の後遺障害を認定していません。

 もし,被害者に意識障害があり,事故後,被害者の人格が変わってしまったと思われるご家族の皆様は,高次脳機能障害の可能性を考えることが大切ですので,まず,主治医や弁護士に相談しましょう。

 

2 交通事故による頭部外傷前後で,人格変化が現れる

 交通事故で頭部外傷を負い,生死の境をさまよっていた被害者の意識が戻り,無事に退院したことで,被害者のご家族は,被害者の命が助かったことを喜びます。

 その後の治療が進み,見てすぐにわかる身体の障害がないことが確認されると,ご家族はほっとします。

 そして,被害者やご家族が普通の生活に戻ったと思った直後に,被害者の身体や人格に変化がみられ,ご家族は戸惑うことがあります。

 上記「はじめに」冒頭で記載した症状は、高次脳機能障害を負った被害者にみられる典型的な病像です。

 このようなことがある場合,高次脳機能障害の存在を疑う必要があります。

 

3 高次脳機能障害とは?

 人間の脳の中で,最も発達した部分である大脳の機能には,目,耳,鼻などで感じた光,音,臭いなどを脳に伝え,脳からの命令に応じて手足を動かすといった一次機能があります。

 さらに,大脳の機能には,一次機能からの情報を,より高度な命令に変換する,「高次脳機能」があります。

 一次機能とは異なる高いレベルの認知機能のことを「高次脳機能」といい,感情のコントロールや意識の集中,記憶,思考などの働きがそれにあたります。

 高次脳機能障害とは,これらの大脳の機能に障害が発生し,社会生活が困難になった状態をいいます。

 次のようなことが被害者に発生したら,被害者本人は勿論のこと,まわりの家族も戸惑います。

  1. 道に迷うことがある
  2. 服をうまく着ることができないことがある
  3. いま自分がいる場所がわからなくなることがある 
  4. 怒りっぽい
  5. 他人への気遣いが乏しい
  6. 元気がない
  7. 他人を許すことができない
  8. ひとつのことにこだわりやすい
  9. 自分はなんでもできると思う
  10. 落ち込むことが多い
  11. 他人の話を聞いても理解できないことがある
  12. 右と左の区別を間違えることがある
  13. 他人の名前が出てこないことがある
  14. 他人との約束を忘れることがある
  15. 昨日の食事の内容を思い出せない

4 高次脳機能障害の主要な症状と弁護士への依頼

 このように,高次脳機能障害の主要な症状は,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害です。

 このような症状があった場合,すぐに弁護士に相談する必要があります。

 それも,交通事故をたくさん取り扱い,しかも,被害者やそのご家族の気持ちを理解し,それに寄り添って活動する,被害者専門の弁護士に依頼することがベターです。

 被害者専門の弁護士は,常日頃から高次脳機能障害の病像を深く研究し,理解しているのが通常で,放射線診断専門医等の協力を得て,頭部画像の読影にも精通しています。

 又,脳挫傷痕が頭部画像からはっきりしない時は,脳神経外科医から意見書を求める体制も整っています。

 頭部画像所見において,脳挫傷痕などの明白な痕跡が認められない,脳室拡大や脳萎縮につきましては,慢性期の頭部画像だけを見ても,高次脳機能障害の存在ははっきりせず,医療現場で高次脳機能障害の症状が見落とされることもあります。

 この場合,脳神経外科医に,上記したように,適確な意見を求める必要が生じます。

 意見を求める場合,弁護士にもそれなりの医学的知識がないと,脳神経外科医に問題点をうまく伝えることができません。

 そのために,高次脳機能障害案件を多数取り扱い,自賠責後遺障害認定実務にも長けた弁護士の存在が必要です。

詳しくはこちらのページもご参照ください。

高次脳機能障害の後遺障害

 

5 当事務所がサポートできること

 当事務所は,既に創業46年を超えています。

 当事務所は,40数年前から静岡県内で発生した交通事故を取り扱い,多数の解決事例を有し,ホームページにも掲載しています。

 そして,整形外科医,脳神経外科医,放射線診断専門医の先生方からご意見をいただく体制も整備しています。

 高次脳機能障害だと思われた被害者やそのご家族はお気軽に当事務所にご相談下さい。

 皆様方と共に,満足な解決がなされますよう,努力致します。

〒420-0839 静岡市葵区鷹匠1丁目5番1号 NEUEZEIT(ノイエツアイト)4S階 TEL.054-251-1348

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