任意保険会社の一括払いのメリット・デメリット

(2017年5月24日)

加害者が任意保険に加入している場合、損害保険会社の社員が被害者と交渉します。
加害者と損害保険会社との間には示談を代行するという契約がしてあり、損害保険会社の社員がその権限をもとに被害者と直接交渉します。以後、加害者は見舞いすらせず、一切姿をあらわすことがなくなることから被害者の怒りを買う原因ともなっています。

被害者が直接加害者と交渉するようなことがあれば、すぐに損害保険会社の社員からクレームがあり、このクレームを受け入れないと、うるさ型だと思われ、損害保険会社の依頼した弁護士が登場することになります。しかし、このようにマイナスのことが起こるのではなく、被害者に便利なことがあります。

たとえば、加害者が治療費を支払わない場合、被害者がいったん支払いをし、それを自賠責保険に請求するということになりますが、自賠責保険からの支払いを受けるべき部分を含め任意保険会社が支払ってくれます。

これを一括払いといっています。しかし、後遺障害が残存する場合、一括払いのままにしておくと、損害保険会社が病院から自賠責後遺障害診断書、XP、MRIの画像を取りつけ、静岡自賠責損害調査事務所に被害者の後遺障害の等級の認定を求めてしまうことがあります。
これは事前認定といわれており、被害者が何もしないでよいのですから便利な面もありますが、これでは被害者の意向が全く働きません。

被害者は、自分の後遺障害が何かということを知らず、その内に任意保険会社から「後遺障害非該当」の通知がきて驚きます。

これは一括払いのデメリットですので後遺障害認定の手続きに際しては、一括払いを解除してもらって自賠法16条の被害者請求権を行使しなければなりません。
そして、適正な後遺障害の等級が認定されたら、それをもとに任意保険会社と交渉すればよいのです。事前認定で後遺障害非該当になりますと、これをくつがえすことはなかなか大変で、場合によったら裁判をしなければなりません。

被害者はあらかじめ損害保険会社による一括払いのメリット・デメリットをよく知っておく必要があります。

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