併合第14級の右肩痛等の後遺障害について、当初の提示額より大幅に増額され判決確定

(2015年8月5日)

依頼背景

依頼者A(22歳、男子大学生)は、交通事故にあったBの救助をしていたところ、事故現場に走行してきたC運転の加害車両にはねられ、右肩関節筋腱板損傷等の傷害を負った。

静岡自賠責損害調査事務所は、Aの後遺障害について、疼痛の存在を認め、事前認定により第14級9号(局部に神経症状を残すもの)と判断した。

 

保険会社の見解

 

そして、この結果に基づきCの加入していたD損害保険会社は、Aの損害は453万円余だとして、この額をAに提示した。

 

当事務所に相談

 

Aの母は、この提示額と後遺障害が妥当であるか否かを当事務所に相談し、当事務所としては、まず自賠責会社にAの後遺障害について被害者請求をした。

しかしながら、この事前認定の判断は維持され、AはCを相手にして静岡地方裁判所へ損害賠償請求の訴を提起した。

 

Aは、主治医のE医師から意見書を入手し、さらに、MRIの画像鑑定も得てAの後遺障害は第12級13号であると主張したが、裁判官は静岡自賠責損害調査事務所の「右肩関節腱板の断裂はないことから動揺関節はないもの。」とする判断を支持し、第14級9号であると考え、和解案を提示した。

しかし、過失割合でCの加入しているD損保が納得せず、判決となった。

 

結果

 

 

この判決は、過失はD損保の主張である45%を排し、25%だとし、労働能力喪失期間もD損保の主張する3年間を排し、30年間であるとし、Aの総損害額を950万円余とし、遅延損害金を含めると既払金388万円余を除き、430万円であるとした。

結局、当初の提示額より500万円多くなったが、Aの主張した第12級13号は認められなかった

 

現在、腱板断裂による後遺障害の認定は難しいものがあり、裁判所も認定しなかったものであるが、Aが当事務所に交通事故直後から相談していたら、この点についての指導もでき、もしかしたら結果も変わっていたかもしれない。

 

しかし、差し引かれた過失25%分の240万円程は、Aが人身傷害特約保険に加入していたため、自己の保険から支給され、損害賠償額が全額受領でき、さらに、当初の提示額より大幅に増額されたので、Aはこの判決を承諾したものである。

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