後遺障害第14級9号で訴訟上の和解の事例

(2015年8月6日解決)

依頼背景

依頼者A(33才の男性、会社員)は、車両を運転して走行していたところ、
左方からB運転の加害車両が右折してきたので、衝突を避けようとして左側にハンドルを切ったところ、左方にあった縁石に乗りあげ、外傷性頚部症候群、両肩関節捻挫の傷害を負った。
Aは7か月程C整形外科医院に通院し、消炎鎮痛の処置を受けたが、頚部から両肩甲部にかけての痛みを残し症状固定となった。

依頼内容

 

Aは当事務所に相談し、後遺障害について自賠責会社に被害者請求をした。
静岡自賠責損害調査事務所は、Aの後遺障害を第14級9号(局部に神経症状を残すもの)と認定したが、Aはこれを不服として異議の申立てをした。
結果は変わらなかったのでAはBを被告として、静岡地方裁判所に損害賠償請求の訴を提起した。

 

Aは私的にAの頚椎MRIの画像鑑定をD社に依頼したところ、E放射線診断専門医はAのC5/6椎間板にヘルニアがあるとした。Aはこれをもとに裁判所にAの後遺障害の程度について鑑定の申請をしたが、裁判官は他の証拠で心証が取れたとして鑑定の採用をしなかった。

 

裁判官は、Aの損害は450万円程度だとし、2割の過失相殺をし、既払金164万円を差しひき210万円の和解額の提示をAB双方にした。

 

Aは鑑定をすれば第12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)になるのではないかと考えたが、裁判官の態度が強行であったので、和解に応ずることにした。
裁判官はAに対するスパーリングテスト、ジャクソンテストの結果が陽性でであっても、深部腱反射が正常で、かつ、筋萎縮もないので、ヘルニアがあっても、Aの後遺障害の程度は、第14級9号にとどまるとした。

 

最近は、鑑定人の鑑定結果に依拠せず、自分で後遺障害の等級を認定する裁判官が多数いるので主治医には深部腱反射テスト等を依頼しなければならない。
主治医の中にはこれらのテストについて間違った判断をする者もいるので、疑問があれば、それを質す必要がある。

 

本件の場合は、自己の過失2割を補填する人身傷害特約付保険に加入していたので210万円にさらに90万円程度が上乗せされることになるが、それでも第14級と12級の損害賠償額は3倍も違うので、むち打ち被害者は主治医との関係を密にする必要がある。

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