右膝関節の機能障害で2324万円を取得し、訴訟上の和解

(2015年5月19日解決)

依頼者A(64歳の女性、自営)は、自転車に乗って横断歩道を走行していたところ、右折してきた加害者B運転の車両にはねられ、両膝打撲、腰椎挫傷の傷害を負った。

 

Bの加入していた自動車損害保険会社C損保は、Aの後遺障害につき、事前認定をしたところ、静岡自賠責損害調査事務所は、Aの後遺障害を第10級11号(1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの)と判断した。

 

C損保は、この判断に基づきAに対し、自賠責保険金461万円を含め1032万円余の提示をした。

 

この時点の既払金(治療費、通院費、休業損害等)は1063万円余であったので総額は2096万円余であった。

 

Aは、この金額が妥当か否か、当事務所に相談があったが、当事務所はAの腰椎にも後遺障害があると考え、あらためて、静岡自賠責損害調査事務所に被害者請求をした。

 

静岡自賠責損害調査事務所は腰椎について、「局部に神経症状を残すもの」として、第14級9号と認定し、併合第10級と判断した。

 

この等級に不満であったAは、静岡地方裁判所に損害賠償請求の訴を提起し、併合第9級を主張した。

 

しかしながら、裁判所は併合第10級だとし、既払金1063万円と自賠責保険金461万円の外にBがAに対し800万円を支払えとの和解案を提示した。

 

Aの過失割合は10パーセントであった。

 

C損保の当初の提示額よりも上回ったのでAはこれを受諾し、訴訟上の和解をした。

 

本件の場合、当初からAの主治医の腰椎に関する克明な診断書ないし意見書があれば、静岡自賠責損害調査事務所も腰椎について第12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)と判断した可能性もあったと思われるが、主治医が膝の障害に重きを置き、腰椎についてはあまり重きを置いていなかったため、併合第10級どまりで併合第9級にならなかったものである。

 

静岡自賠責損害調査事務所の判断は、静岡地方裁判所においても重視されているので、被害者側弁護士にとっては、これを上位等級に認定させるには、なかなか苦労が伴なう。

 

上位等級をめざすには、事故直後から被害者側弁護士に相談することが肝要である。

 

本件の場合、弁護士費用特約付保険に加入していなかったため、費用のことを考えると鑑定の申立てもできず、この意味でも大変であった。

 

 

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