頚椎捻挫,胸骨骨折で第14級9号認定の後遺障害が第12級となり訴訟上の和解(2019年11月20日解決)

 依頼者A(53才の男性,運転手)は,車両を運転し,交差点で青矢印の表示に従い,右折していたところ,赤信号を無視したB運転の車両前部が,A車両の前部に衝突し,Aが頚椎捻挫,胸骨骨折の傷害を負ったものである。

 静岡自賠責損害調査事務所は,胸骨骨折について,MRI上明らかな癒合不全や変形癒合がないものとして,これは後遺障害非該当として,頚部痛等についてのみ,第14級9号(局部に神経症状を残すもの)と判断した。

 Aは,自賠責会社に異議の申立てをしたところ,異議が認められなかったので,静岡地方裁判所に,Bを相手取って損害賠償請求の訴を提起した。

 Bの加入しているC損害保険会社は,第14級9号を支持する意見書を裁判所に提出した。

 Aは,これに対し,D病院のE医師に,意見書の作成を求めた。

 E医師は,Aを直接受診し,胸部のCT,MRIを見た上で,CT矢状断にし,胸骨骨折は骨癒合したが,斜骨折の中枢側の左側の尖った部分が,末梢側の胸骨の背側にのめり込むようにして変形癒合しているとの意見書を作成した。

 Aは,E意見書を裁判所に提出したところ,BやC損保も争わず,裁判官から12級を前提とした和解案がA,B双方に示された。

 それによると,Bは,Aに対して,既払金(休業補償163万円,治療費69万円,自賠責後遺障害保険金75万円)の他に,1135万円を支払うというものであった。

 A,B双方とも,裁判所の和解案を受諾し,訴訟上の和解が成立したものである。

 静岡自賠責損害調査事務所では,CTやMRIの画像の読影が厳重になされていない場合もあるので,専門家の意見を聞き,しっかりとした,説得力ある意見書を作成してもらえば,意見書対決でも優位に立つことができる。

 裁判所はなかなか鑑定の申立てに応じないので,意見書の作成はとても重要である。

 本件では,第14級9号であれば,せいぜい既払金の他に300万円程度の損害賠償額しか認められなかったものと思われるが,意見書の作成により増額が認められたものである。

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