14級9号のむち打ち症事案で9%の労働能力喪失率を認め訴訟上の和解

2015年12月2日解決

 

依頼者A(42才の女性、パートタイマー)は、普通乗用自動車を運転して、信号機のない交差点に進入したところ、左方から一時停止の道路標示を無視したB運転の普通乗用自動車が進行してきたため、衝突し、頚椎捻挫の傷害を負った。

Aの後遺障害は、14級9号(局部に神経症状を残すもの)に該当すると認定され、当事務所に依頼があった。

当事務所は、異議の申立てをしたが、静岡自賠責損害調査事務所の判断は変わらなかった。

そのために、Aは、12級3号を目指して、静岡地方裁判所に、Bを被告として、損害賠償請求の訴を提起した。

 

当事務所は放射線診断専門医に頚椎MRIの画像の鑑定を依頼し、その結果、C4/5、C5/6椎間板にヘルニアがあることが判明したので、これを事故に起因する障害であることを主張し、あわせて、鑑定の申立てをした。

運悪く、この事件を担当した裁判官が、むち打ち症事案では鑑定を採用しないという方であった。

 

A、B双方の主張と証拠が出尽くした後に、裁判官はA、B双方に和解案を提示した。

和解案の内容は、Aの後遺障害の程度は12級とまで認めるに足りないものの、14級としては重症であると認められるので、労働能力喪失率を13級9%とし、労働能力喪失期間も10年とするものであった。

 

そして、頚椎椎間板ヘルニアの発症について、Aに20%の素因減額し、事故の過失割合もAが10%、Bが90%であるとし、既払金250万円を差し引いて、BがAに対し、400万円を支払えというものであった。

Aは12級にならなかったことに多少の不満はあったが、主婦労働に対する休業補償も3か月分認めてくれていたので、実質的に13級相当ということで和解案を受諾した。

Bの加入しているC損害保険会社は、この和解案を渋っていたが、最終的に応じ、訴訟上の和解が成立した。

 

裁判官は、当方の主張も考慮し、いろいろ工夫してくれたが、鑑定が採用されれば、12級の鑑定意見も期待できたので残念であった。

 

むち打ち症でも重い場合と被害者が考えた場合、克明に主治医に自己の症状を説明し、早目に頚椎や腰椎のMRIを撮影してもらう必要がある。

それも、本件のように、1.5テスラではなく、3テスラでT2脂肪抑制画像によることが必須である。

このようにしなければ、裁判官によっては鑑定を採用してくれず、この場合、12級はほとんど望めない。

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